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心得情報005 事務所の見極め方 その1

先日ニュース番組で「疑惑のオーディション」という報道を見ました。
内容からいうと新聞広告などを使いオーディションを行い、デビューなどの話をエサに多額の借金を
させ、お金だけもらって姿を消すというような内容の報道でした。

このサイトを閲覧している皆さんにも近い経験をした人や、こういった話を聞いてゾッとする人も
いらっしゃるのではないでしょうか。

ですがハッキリ言わせて頂けば、この世の中そんな話はそこらじゅうに溢れています。
もちろんこういった事を行っている業者を肯定する気などはありません。
ですが、詐欺は騙される相手がいるから起こるものです。それと普通の皆さんが知っている事務所の中にも
そういった事に近い運営を行っている事務所もないとは言えません。
ここに小さい事務所の運営について、すこし考えてみましょう。

事務所の運営とは、そもそもタレントに対して先行投資を行い、そのタレントが開花して売れた公益から
キャッシュバックされるというような形式。汚い言い方をすればギャンブルなわけです。

誰でもなんらかの可能性を秘めています。
それをタレントの場合、どう導いてどのくらいお金をかけて、どのくらいお金を稼ぎだすか
言い方が悪いですが、これがキーポイントになります。

とても光る才能を持った人がいても、人里離れた山奥にいたのでは売れません。

その才能その才能を適切な場に導く、こういった事も事務所の仕事です。
ですが、そういった作業もタダではないのです。バンドなどをやっている人ならある程度は判るかと
思われますが、場所代や人を呼ぶ事はお金や労力を必要とするのです。

またレッスンを行うのには、レッスンを行う場所、教える人、教材が必要になります。
特にかかる物として教える人へのギャラ、その人だってボランティアではありません。
1日拘束されれば、その分だけのお金をもらわなければ生活していけません。

ここに、すごく小さい事務所を作るとします。

「社長」兼「講師」兼「営業」兼「マネージャー」として1人、タレントが3人だとしたら、
タレント3人で社長の生活を支える事になります。
まぁ 1日¥9000社長が必要として、3人のタレントは¥3000づつ。
これが1ヶ月=30日分で、タレント1人¥90000が一月に必要になります。そして社長の月収¥27万。
これは社長の生活費です。これにプラスでレッスン場や、教材費をもらって初めて社長は
『ビジネス』になるわけです。

これをきちんとした事務所とするならば1人でタレント教えて、営業して・・・なんてやれないって事で、
マネージャーをスタッフとして増員します。
タレントの支払額倍増! 月に1人¥180000・・・・・無理ですね。
って事で、タレント数を9人へ・・・。
事務所スタッフ2人、タレント9人。タレントの月謝¥60000です。(レッスン場や教材費なし)
スタッフ2人、タレント数を5倍の45人へ・・・。タレントの月謝¥12000(レッスン場や教材費なし)。

これが小さい劇団の事務所の形態です。
スタッフ2~5人で、タレント数40~100人。
この事務所はタレントの支払いで運営されています。「仕事はどこ?」って感じでしょうか。

これにタレントがレッスンで上達し、オーディションにより1仕事獲得。¥30000~100000。
事務所の取り分が、30~70%。
タレントは1つの仕事で手取り1万円です。
あとはタレントがどれだけ高額な仕事にありつけるかが問題となってきます。

これが事務所の最低限のお金の流れです。
この中でデカデカと宣伝を行えるわけがありません。事務所の人数などから算出して、
見合わない広告を打っているところは、あやしいかもしれません。

最初に資本金などがあったとしても、こういった運営では難しいでしょう。
意外かもしれませんが、小さい事務所はタレントに食べさせてもらっているような事になります。
こういった風に相手の事務所の運営を考えていくと、請求されるレッスン費や会社の規模などが
ある程度算出できます。

事務所とは、自分をデビューさせてくれるものではなく、自分が開花する(開花した後も)上で力になる
パートナーだという事を忘れないで下さい。パートナーの事も知らないで、身を任せようとする事の結果、
痛い目をみるのは当たり前でしょう。こういった事に関しては、夢を目指すというよりも生きていく上で
身に付けなくてはいけない事ではないでしょうか。

機会がありましたらは、今度は大きな事務所の場合もご紹介したいと思います。

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