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心得情報011 コミュニケーション力

「プロになりたい!」という志望者の方に直接お会いする機会が多いのですが、
口にする言葉は大きな事を言いながら、非常にコミュニケーション力が乏しい人が多々目に付きます。

「何千人、何万人にCDを買って貰える『売れるアーティスト』になりたい」と口にしながら、
目の前の私とすら、まともにコミュニケーションが取れないレベルの人がよくいます。

キツい言い方ですが、人間力が幼すぎます。

芸能の世界は、観る人、買う人がいて初めて成り立ちます。
そこには「相手」が存在する事を意味します。

歌でも芝居でも映像でも、場合により一方的な発信となる事もありますが、
それは表現者が「何か」を発信して、視聴者が「何か」を受信して、その反応が『結果』となります。

その結果とは、
音楽で言えば「その発信された音楽を生で聴きたい」がライブとなり、
芝居で言えば「その発信された表現を生で観たい」が演劇となり、
芸能で言えば「その発信された個性が好き」が関連した作品や商品の購入へ繋がります。

ようは、これは発信した「何か」に対して『好感を得られた』という
コミュニケーションの成功を意味します。
「つまらない」「嫌い」「不快」「何も感じない」は、コミュニケーションの失敗です。
ちなみに「印象の残らない」は、コミュニケーション自体が存在できなかった事になります。

人気をたくさん得るという事は、大勢の人とコミュニケーションを成功させる事に繋がります。
だからこそ、その末端が「目の前の人とのコミュニケーション」の重要性となります。

「コミュニケーションなんて相性とかがあるじゃん」
確かにそうだと思います。ですが、目の前の人とコミュニケーションが取れなかった事実が
変わるわけではありません。

皆さん、どのジャンルを目指している人でも、その関連した事務所に所属する事が第一のステップだと
考えているかと思います。・・・と、いうことは、その事務所のマネージャーなり社長なりと
コミュニケーションを成功させなければ、事務所には所属できない事になります。

なのに、目の前の人とのコミュニケーションがうまく取れなくてもいいと思いますか?

もちろん、人の感性などは十人十色です。何を良い、何を悪いと感じるかは、千差万別です。
ですが、芸能の世界で売れるという事は、沢山の人に共感や好意をもってもらう事に相違ありません。

と、いうことは・・・「コミュニケーションの失敗」が多ければ多いほど、売れる事が出来ない可能性です。
反対に・・・沢山の人との「コミュニケーションの成功」が売れる可能性でもあります。

確立統計の話となってしまいますが、目の前で喜んでもらえる人が多ければ多いほど、
「露出を広げれば、さらに喜んでもらえる人が増えるのでは」と、可能性が見えてきます。
反対に目の前の人達から不評が多ければ「こいつは露出を増やしてもウケないだろう」という確立が
見えてきてしまいます。

芸能・音楽・声優事務所は、会社です。会社とは経営を行うところであり、
ギャンブルをしているわけではありません。
予測もつかないもの、または成功する可能性が低いものにお金を出す事はギャンブル行為となり、
そんな事は基本的に行いません。

もちろん、石橋を叩いても答えの出る世界ではありません。
そういう意味ではギャンブルに近いものはありますが、会社を潰す事はしたくないのも事実です。
少しでも売れる可能性を感じる人にチャンスを与え、可能性を感じない人にはチャンスは与えられません。

やや話が離れてしまいましたが、「自分が目指す道は、目の前から繋がっている」事を忘れない事です。
アルバイト先で適当に相手したお客が、自分が目指す業界の関係者かもしれません。

そこで好感を得ることが、自分の道を広くする事に繋がり、また目の前のコミュニケーションを
ないがしろにする事が自分の未来への道を狭くする事に繋がる事を肝に命じて下さい。

売れるのには理由があります。売れないのにも理由があります。
技術・能力どうこうの前に、すぐにでも出来る努力があります。

コミュニケーションが取れない人は、売れません。
売ることができません。

目の前の人とのコミュニケーション、これはあなたの未来に繋がっています。

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